老朽クロムめっき液の再生

硬質クロムめっき液の特性とRoHS指令

RoHS指令にて規制されているのは6価クロム塩を使用するクロメート処理だとの見方が一般的であり、工業用である硬質クロムは、施工・処理後の金属表面に金属クロムのみで6価クロムを含有又は流出することは全くありません。金属クロムは人体・環境に無害です。

クロムめっきにおける6価クロム問題についての具体的な解説は、(社)腐食防食協会腐食センターのホームページの腐食センターニュースNO.033に公開されております。

(社)腐食防食協会腐食センタ- http://www.corrosion-center.jp/

問題となるクロメート処理は、安価で見た目もきれいな防食と装飾的効果を兼ね備えた表面処理技術です。しかし、皮膜中に水に溶け出す (可溶性)6価クロムを含んでいるために金属アレルギーを引き起こす恐れがあることや電気製品、自動車なが廃棄されてから環境汚染への負荷が高いことなどから EUのRoHS指令では、使用が原則禁止となっています。

そのため、毒性の低い3価クロムを使用したクロメート処理(「3価クロム化成処理」) への切り替えが進められています。

老化したクロムめっき液を再生する

硬質クロムめっき液は水・6価クロム酸・硫酸で構成されており、使用とともに6価クロムが3価クロムへ劣化します。通常は、これを廃液として処理するため、主要なめっき工場では一般的に排水場を設けています。

当社では液を再生しているため、排水場の稼働は10日に1回というペースです。 当社が開発した「FF式電解法」は、劣化した液を新液と同じ状態へ再生させます。

めっき面の凹凸発生要因(めっき液に溶け込んだ鉄分)を取り除き、一定の濃度を保つことができます。これは「めっき液脱鉄法」と呼び、この技術を開発したことで、当社は科学技術庁長官奨励賞を受賞致しました。

従来は電気めっきだけでは均一にめっきできず、研削工程を必要としていましたが、濃度調整・管理を簡便にし、一定の濃度を保つことができるため、熟練技術者の勘に頼りきった技能から標準化された技術に発展しました。

廃液をほとんど出さない生産体制を構築でき、公害対策を具体的に実施できます。

FF式隔膜電解槽(クロムめっき液再生装置)のラインナップ

導入メリット

  • めっきに適さなくなった老化液を、新液同様に甦らせる事が可能。
  • 廃液が大幅に削減される。
  • めっき槽内の濃度管理が容易になる。
  • めっき品質の安定化が図られます。
  • 薬品等一切使用しない為、再生後すぐにめっき液として使用可能。

納入先国

日本 米国 ロシア 韓国 台湾 中国 インドネシア

なによりも、自社で使用しFF式隔膜電解槽の性能を確認しており、いつでも当社で使用しているFF式隔膜電解槽をご覧頂けます。
見学を希望される方は御連絡下さい。

業界・専門家からの評価

日本産業機械工業会長賞受賞(優秀公害防止装置として)
科学技術庁長官奨励賞受賞(神奈川県発明考案展にて)

1002型

再生能力 1000ℓ
外槽(長さ×幅×高さ) 2,110×1,200×1,255
使用隔膜枚数 20枚

500型

再生能力 500ℓ
外槽(長さ×幅×高さ) 2,100×1,000×950
使用隔膜枚数 10枚

300型

再生能力 300ℓ
外槽(長さ×幅×高さ) 1,500×1,050×965
使用隔膜枚数 6枚

100型

再生能力 100ℓ
外槽(長さ×幅×高さ) 1,100×700×800
使用隔膜枚数 2枚